「タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門」を読んでみました。 [投資]
タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門 (ウィザードブックシリーズ)
- 作者: バン・K・タープ
- 出版社/メーカー: パンローリング
- 発売日: 2009/12/07
- メディア: 単行本
本の半分以上をトレーダーの心理面について記述しています。
「レバレッジをどれくらいかけられるか?」「冷徹に損切りできるか?」等、トレーディングにもそのポジションサイジングにもトレーダーの心理面が多大なウェートを占めるのは理解できます。
しかし、この表題だと読者は「ポジションサイジングの戦略や具体的な計算式について知りたい。」と思って本書を手に取る訳ですから、ちょっと内容的には「読者を裏切ってません?」と思います。
ちゃんと的をしぼって記述すれば本書の分量は3分1以下にできると思います。
ハードカバーの本として出して高い値段を付けるためにわざと不要な章を増やしたとしか考えられません。
その意味では「ちょっとオススメ出来ない本かなぁ」と思います。
でも、ちゃんとポジションサイジングについても記述されています。
その部分は勉強になったかなって思います。
タープ博士の本は他のは読んだ事無いので、ひょっとしたら他の本でも記述されている内容なのかもしれないですけど・・・
っで、ここからが本番です。
私の資金量と東京市場の銘柄の単価を考えると、この本で紹介されているポジションサイジングの式は私にはそのままでは使えないので少しアレンジしてバックテストしてみました。
ちなみに今までは1ポジションに投入する資金量を固定にして、バックテストおよび運用を行っていました。
今回は、基本はタープ博士の式そのままですが、最低ポジションサイズを定義して、計算した結果、ポジションサイズが最低ポジションサイズを下回る場合は、最低ポジションサイズでトレードするようにアレンジしました。
結果を以下に箇条書きにします。
最終利益は増える:
資金量に合わせて1ポジションの大きさを変える方式なので、利益が増えるに従って1ポジションの大きさも大きくなります。
結果、正のエッジを持っているシステムで本書で紹介されているポジションサイジングを行うと最終的に得られる利益を増やす事ができました。
ドローダウン率も大きくなる:
資金量に合わせて1ポジションの大きさを変える方式なので、利益が増えるに従って1ポジションの大きさも大きくなります。
結果、負けた時のダメージも大きくなります。
ドローダウン率というか最大ドローダウン量は大きくなってしまいます。
当たり前ですがドローダウン期間にはあまり影響はありません。
(負けた時のダメージが大きい分、回復にも時間を要するので、多少は影響します。)
バックテストしてみた感想として、「(許容できる範囲で)リスクは増大しますが、リターンも大きくなる。」と思います。
個人的にはリスクが減る事をポジションサイジングに期待していたのですが、現実は必ずしもそうでは無いという事がわかりました。
当たり前の話ですが、たとえポジションサイジングしていても負け続ければいずれは建てられるポジションのサイズが小さくなりすぎて、建てられる銘柄が無くなってしまう訳ですよね。
私は、ポジションサイジングはリスクを減らすための手段と考えていました。
しかし、バックテストしてみた結果わかった事は「リスクを限定した上でリターンを伸ばすための手法」という事です。
そりゃリスクを減らしたければ、
・ポジションを建てる量を少なくする。
・ポジションサイズを小さくする。
・聖杯を見つける(笑)
等、するしかないですものねぇ。
本を読んだ事で、本気でポジションサイジングについて考え、バックテストし、理解できた事は私にとっては収穫でした。
ポジションサイジングが生きてくるのはある程度大きな資金量の場合と思いますので、私の場合かなり将来の事となりそうですが、その時に備えてシステムにロジックは組み込もうと思います。
タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門 (ウィザードブックシリーズ)
- 作者: バン・K・タープ
- 出版社/メーカー: パンローリング
- 発売日: 2009/12/07
- メディア: 単行本
タグ:ポジションサイジング
株のことを知らないので、なかなか理解するのは難しい...ですね。当たり前か。
by Turbo381 (2010-04-04 00:48)
Turbo381さん。ご訪問&nice&コメントありがとうございます。
そうですね。
株というかシステムトレードを知らないと理解し難い内容かと思います。
一応「ブログテーマ:株」なので、たまにはこういう投稿もしないと(笑)
Wikipediaで「システムトレード」で検索するとシステムトレードの概要が解説されていますよ。
by marbee (2010-04-04 10:27)