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SD1Merrillを買って使ってみて「世間で勘違いされているな。」と思う部分を簡単に纏めてみたいと思います。 #Photo [写真]

SD1Merrill+105mmF2.8Macro
SDIM0092.jpg

SD1Merrillは高画素?:
ここはメーカが誇大広告している部分だと思います。
SD1Merrillは高画素じゃないです。SD1Merrillが出力する写真の大きさは4704×3136です。
流行りの言い方で言うとSD1Merrillは14.8MP機ですね。
他社の入門機でも最近は16MP位ありますから高画素とは言えないですね。
じゃあ、なんでSD1MerrillのRAWファイルは44MBもあるのか?
FoveonX3センサっていうのは簡単に言うとカラーセンサなんですよね。
他社のベイヤー配列方式のセンサーはモノクロームのセンサです。
FoveonX3センサは各画素毎に光の三原色を記録しているので他社のモノクロームのセンサーの三倍のデータ量を出力するんです。
逆に言うと他社のカメラはモノクロームの画像センサなのになんでカラーの写真を撮れるのか?
実は撮れていないんです。
カラーフィルタと組み合わせる事で部分的に色情報を取得して、足りない部分は他の画素の情報から推測して作っているんです。
つまり他社のカメラが出力しているのはモノクロームの画像センサから得られる限られた情報から推測で作った限りなく写真に近い絵なんです。
ここが決定的に違う所ですね。



SD1Merrillは偽色が出ない?:
FoveonX3センサは理論上偽色はでません。
では実際にはどうなのか?
昨日撮影してみた所パープルフリンジっぽい現象が出てしまいました。
以下該当箇所をトリミングして示します。
SDIM0124.jpg
SDIM0142.jpg
この写真をメールに添付してSIGMA社に問い合わせを行いました。
先程回答が来ました。(素早い対応感謝です。)
契約上回答をそのままここにコピーする事はできませんが、結論を掻い摘んで言うと「これはたぶんレンズの色収差だろう。」という事です。
やはりカメラは光学機器である以上このような現象と無縁では居られないんですね。
ちなみにレンズの色収差はピントがズレていると発生し易いそうです。
私のSD1Merrillと105mmF2.8MacroはSIGMA社に着払いで送れば点検・調整してもらえる事になりました。
気になる人はまずはSIGMA社に問い合わせを行なってみる事をオススメします。
2012/03/23追記:
価格.comの口コミを見ていたら以下のサイトが紹介されていました。
http://www.higashino.jp/photo/sd10/dcx3/x3/index.html
二枚目の写真の点光源が紫色になっている現象はこのサイトに書いてある。
2)明暗境界がマゼンタかぶりする (SD14では大幅に改善済)
によく似ているように思います。
見解を変えます。
ベイヤー配列センサだろうがFoveonX3ダイレクトイメージセンサだろうが局所的に度を超えた光を当てると光飽和を起こし偽色は発生する。
とは言えローパスフィルター無しでもモアレが発生しない等Foveonの優位性は揺るがないのも事実な訳で・・・
場合によっては偽色が発生するとは言えFoveonに価値がある事には変わらないと思います。
ちなみに上で示した二枚の写真ともSIGMAPhotoProでjpeg出力してからApertureに取り込んで「ハロー除去」機能を使えば簡単に補正できます。
なので実用上はほとんど問題無いと思います。
願わくばApertureでSD1MerrillのRAWファイルの現像が出来れば手間が減って大助かりなんですが・・・
頼みますよ・・・Appleさん・・・
とは言え上で示したリンク先のページを見るとFoveonのRAWファイルの現像はかなり独特なノウハウが必要みたいだし現実的にはSIGMAPhotoProに頼るしか無いんだろうなぁ・・・



SD1Merrillは動きが遅いカメラなのか?:
私の感覚ではAFも速いですし、メニューもサクサク動きます。
動きが遅いという事は無いと思います。
でも一箇所だけ。データのI/Oが決定的に遅いんです。
当たり前ですよね。他社の画像センサの三倍のデータ量なんですから速度は三分の一で当たり前です。
SIGMAの様に市場で部品を調達してカメラを組み立てるメーカではしかたがない部分だと思います。
NikonがD4で取ったように「データI/Oが遅い?じゃあXQDって言う高性能な新しい記憶メディア作ちゃおうぜ。」ってアプローチだとカメラ一台50万円とか普通になっちゃいますから。(笑)
FoveonX3センサでお金を使っているんだから他の部分は極力安くしないと。プロ用のコスト度外視のカメラじゃないんだから。
コストと性能のバランスを考えるとSD1Merrillは悪くないと思います。



Mモードで自分でシャッタースピードと絞り値を決めて撮影しないと上手く写真が撮れない?:
そんな事無いと思います。
過去のSIGMAのカメラは知らないですが、SD1Merrillに限って言えばAモードで普通に撮れます。
Pモードは試して無いので判りません。(笑)
ただし綺麗な写真に仕上げたかったらRAWで撮影して自分で現像するのは必須だと思います。
SIGMAPhotoProには「X3 Fill Light」というパラメータが有ってこれで明るさを調整すると綺麗に明るくできます。
このパラメータを上手く活用すればMモードで撮影という高度な技術は必須では無いと思います。
2012/03/27追記:
Foveonは赤が飽和し易いようで普通に撮ると赤がベタッとなったり赤い被写体の少し明るい所が白飛びしてしまって現像でも救えない写真になってしまうようです。
露出補正マイナス1を基本に撮影して現像で明るく調整する撮り方が良いようです。
この辺りはもう少し研究してみます。
2012/03/31追記:
Foveonと赤について別記事に書きました。
http://marbee.blog.so-net.ne.jp/2012-03-31-3
よろしければご参照ください。



SIGMAPhotoProって遅くて使えない?:
遅いです。
ただここでもFoveonX3センサが普通の三倍のデータ量を出力する事を忘れてはいけないと思います。
データ量が三倍ですから処理時間も三倍必要で当たり前です。
Aperture等がSIGMAのRAWに対応していないので比較できないですが、仮に対応したとしてもSD1MerrillのRAWの処理には時間を要するのではないでしょうか?
ちなみにSIGMAPhotoProで画像を現像Jpeg出力している時の私のMacのアクティビティモニタは以下に示す感じです。
スクリーンショット 2012-03-11 16.02.51.jpg
私のMacはCorei5の2.7GHzですが、見事に4コアすべて使いきってますね・・・
メモリも1GB強使っています。
ただしアクティビティモニタの表示から判るようにSIGMAPhotoProは32bitアプリです。 なのでメモリは最大でも2GBまでしか使えないハズです。
Google等で検索していると「SIGMAPhotoProを使う時はメモリは多く積んだ方が良い。私は16GB搭載したPCを使っている。」と言った意見を目にしますが32bitアプリなので16GBも積んでも使えないので無意味だと思います。
最新のMacなら最低でも4GB載っていると思うので、それで十分だと思います。
「データ量が三倍なんだから遅くて当たり前。」理解して使いましょう。
逆に言うと遅いのが許せない人は他社の(限りなく写真に近い絵を出力する)カメラを使いましょう。
私はα900と併用するつもりです。



結局SD1Merrillは買いなの?:
う〜ん。コダワリの問題だと思います。
正真正銘のデジタル写真が撮りたいなら他に選択肢は無いでしょう。
私が使ってみた正直な感想としては「α900の方が35mmフルサイズだし、高画素だし、Apertureで現像できるし・・・何より手に馴染んでいるし・・・ボケを重視して作品として撮るスタイルなので正真正銘の写真である必要は無いし・・・α900の方が良いなぁ。」と言うのが偽らざる感想です。
ただFoveonX3センサにも発展して欲しいのでSD1Merrillも手元に置いてユーザとしてFoveonX3センサの発展を見守りたいと思います。
まあお金に困ったら売っちゃうかもしれないけど・・・(笑)

SD1 Merrill Body

SD1 Merrill Body

  • 出版社/メーカー: シグマ
  • メディア: エレクトロニクス




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