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「FREE<無料>からお金を生み出す新戦略」を読んでみました。 [IT]


フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

  • 作者: クリス・アンダーソン
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2009/11/21
  • メディア: ハードカバー


さすがにワイアードの編集長が著しているだけあって、フリービジネスの歴史から今日までよく纏まっていてわかりやすく良いと思います。

欠点はこの本ぶ厚い事ですかね(笑)
ハードカバーの本だからという事もありますが、厚さが3cmあります。

内容も盛り沢山な上、私自身もトイレに入っている時等、比較的「フリー」な時間のみを使って本書を読んだため、読み終わるまで時間がかかってしましました。





私自身はシステム開発ベンダに務めているSEな訳ですが、私の仕事にこの本で紹介されている戦略を応用できるか考えてみると、結構難しいかなぁと思いました。


フリーミアムにしろ他の戦略にせよフリー戦略は顧客が何千万人や何億人といった単位の時に取れる戦略と思います。
Googleが成功しているのも、Wikipediaが運営できるのも、それを利用する顧客が数千万から数億人にもなるからでしょう。

日本でいうともモバゲーやGREE、ミクシィ、クックパット等が無料でサービスを提供できるのも、数千万人が利用しているからと思います。


翻ってシステム開発ベンダの仕事を考えてみると、その仕事は特定の顧客にオーダーメイドでシステムを構築し保守する事です。
フリービジネスがターゲットにしている顧客層とは真逆の顧客層をターゲットとしていると思います。

その意味では、システム開発ベンダの仕事はフリービジネスの真逆を行かなければいけないのかなぁと思います。

最近流行り?の中国等へのオフショア開発は、「システム構築は無料(同然)にし、保守契約で利益をいただく」というフリーミアムを指向した戦略なのかもしれません。
しかし、中国等へのオフショア開発を利用して無料(同然)で構築したシステムは品質が悪くて、そのほとんどが保守でも赤字となってしまいます。
システムトラブルが顧客のビジネスに影響を与えて訴訟沙汰になるリスク等も考慮すると、これまでの事例から戦略として誤りであった事は自明かと思います。

そもそもが特定の顧客に特注でシステムを構築するのが仕事な訳でフリー戦略を適用するのは無理ありすぎですよね。


これからのシステム開発ベンダはどうあるべきなのか?
少なくとも保守契約では余裕で黒字になるようにする事。

そのためには品質の良いシステムを作る事。(中国どころかオフショア開発自体が問題外と思います。)
そのために有能なエンジニアを育て、抱え込む事。
保守の契約も作業量に対して対価をいただく契約では無く、作業の有無に関係無く固定でお金をいただく事。
以上に対して顧客の理解を得る事。
理解してくれる良い顧客を持つ事。
早く日本には長期デフレ不況から脱却してもらって、顧客に理解する余裕を持ってもらう事。
理解しない顧客は業界全体で総スカンする事。(これは談合?でもそういう業界団体みたいの必要かなぁと思います)


等が必要なのかなぁと本書を読みながら考えてしまいました。


どのような仕事をしている方にとっても本書は自分の仕事を見つめ直す良いきっかけになると思います。


フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

  • 作者: クリス・アンダーソン
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2009/11/21
  • メディア: ハードカバー

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