「Google App Engine[実践]クラウドシステムの構築」を読んでみました。 [IT]
GoggleAppEngineで動作するアプリケーションの作り方とその動作のさせ方について概略が書かれた本です。
GoogleAppEngineには、どのような制約があるかという事について書かれた本と言っても良いかもしれません。
あくまで概略を記述した本なので、開発の際には別途リファレンス等も参照する必要があります。
近年の流行語である「クラウド」について、作り手の立場で一応勉強しておこうと思い読んでみました。
Googleの基盤が分散環境である事、性能を出すために独自の工夫がされている事が垣間見れるという意味でも興味深い本と思います。
BigTable等は、従来のRDBMSのように高機能を目指すのでは無く、まずは性能ありきで設計されている事がわかり大変勉強になりました。
性能のためには、トランザクションさえも制限しているのですね・・・
しかし、Googleの基盤を利用できる事は魅力的ですね。
ハードウェア障害や増強の心配がほとんど必要無いのはコスト的にも魅力的です。
ただし、アプリケーションを実際に運用してみるまで、どの程度のリソースを使うか把握する事は不可能に近く、Googleにいくら払う事になるのか事前に見積もれないのは痛い所です。
前回読んだ本に記載されていたライブドアのシステムもそうですが、これからの時代は高機能を目指すのでは無く、機能を犠牲にしても高性能を目指す時代なのかもしれません。
性能を担保するために要件を制約に合わせる必要があり、今までのように
ユーザの無茶な要件をベンダーが血を吐きながら実現する。
というアプローチは限界に来ている事を示唆しているようにも思います。
これからの時代はベンダの技術力も重要ですが、それ以上に要件を出すユーザ企業の技術力やセンスが重要だと痛感しました。
その意味でもユーザ企業のシステム部門の方にぜひ一読して欲しい本と思います。
ひょっとしたら、これからの時代を生き抜いて行くために必須の知識かもしれないですよ。
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