モンスタークライアント

モンスターペアレントという言葉を聞くようになって久しいと思います。
教師に無理難題をふっかけてくる両親の事ですね。
社会問題として認知されていると思います。


でも、これって教育の現場だけの話なのでしょうか？


ビジネスの現場でもモンスタークライアントって多いと思いません？
私は自分の人生経験上、IT業界に対してしか語れないですが、顧客のほとんどはモンスタークライアントだと思います。


夜の8時とかに電話してきて「〜の機能が無いと困る。ホントは今すぐ使えないとヤバいですが、明日の朝までは妥協しますので作りこんでください。」とか、IT業界（もしかして私の周りだけ？）ではわりとよくあるシチュエーションだと思います。

これに対して「〜の機能は〜という実装をする事になるので、最低でも〜人日要します。また今すぐ着手するというのも無理なので、最優先で明日から着手するとしても完成は〜日になります。」と回答してみたりしますが、「それでは困る」の一点張りです。

終いには私の上司に電話をかけ始めます。

そして上司から私に「顧客の〜さんからクレームが入っているんだけど？」とお叱りが入ったりします。

そして泣く泣く開発メンバを集めて事情を説明し、みんなに徹夜してもらう事になります。
自分も自らコードを書く事は無くなったと言っても監督する立場にはありますので一緒になって徹夜します。

チームのモチベーションが最悪なのを少しでもなんとかしようと声掛け等して努力してみる訳です。


正直、モンスターペアレントなら無視していても業績が悪くなって学校が潰れるという事は、私立の学校で無い限りあり得ないので、大した問題では無いと思ってしまいます。


モンスタークライアントの場合、無視しようものならモロに業績に影響するので、よっぽど社会問題と思います。



しかし、社会問題になりません。
なぜか？
相手の事情もわかってしまうからです。

モンスタークライアントにも上司や顧客がおり、私に電話してきた時には待った無しの状況に追い込まれているのです。

その事情がわかってしまうから、結局は無理が通れば道理が引っ込むという事になってしまいます。



私はIT業界の事情しかわかりませんが、恐らく下請けに近い形の仕事をしている日本企業ならどこでも事情は同じなのではないでしょうか？



なぜこういう事になるのか？
みんな余裕が無いからだと思います。


失われた20年のせいで、みんな生きるだけで必死です。
余裕なんてありません。
止む無くモンスターと化してしまうのだと思います。



みんなが余裕を持てる世の中になれば、こういう問題は無くなると思います。
ですが、残念ながら私には根本的な解決策は思いつきません。

法人税の減税は試してみる価値のある対策ではないかと思います。

しかし、これだけで解決するとは思えません・・・



個人レベルでできる対策なら思いつきます。

1. 子供作る事を諦める。
2. 結婚を諦める。
3. 出世も諦める。
4. 家を買う事を諦める。
5. 車を買う事も諦める。
6. なんでもかんでも諦める。

そうすれば、少しは余裕が出ると思います。

あっ！！
これって少子高齢化の原因？
デフレ不況の原因？
草食系男子？


う〜む。根の深い問題だ・・・

タグ：モンスターペアレント

コメント 2

私もいろいろと無理な注文を聞いてきました。
この業界は特に無理を強いられるような気がしますね。
(当事者だからというのは当然あるでしょうが・・・)
by erect (2010-07-25 11:40) 

erectさん。ご訪問＆nice＆コメントありがとうございます。

お互い難儀な職業を選んでしまったもんですねぇ・・・

無理を聞いても割り増し料金とか請求できないんですよねぇ。
このままじゃいずれ業界全体が破綻すると思うのですが・・・

自分の無力さを思い知ります・・・
by marbee (2010-07-25 13:21)